泣くな横浜 wrote.
>基本的な質問で申し訳ありませんが、
>コンクリートのヤング率の計算方法は、
>SS曲線の、最大応力の1/3点とひずみが50μ時の応力点
>を結び、直線の傾きを求める方法が一般的だと思います。
>一方、鋼材に関してはこのような規格が見つかりません。
>今まで、私は、鋼材のSS曲線に主観で直線書き
>鋼材のヤング率を計算してきましたが
>特に、PC鋼材等の降伏点が不明瞭な場合、計算者の主観で
>直線を引いてヤング率を計算する事は、問題があるのではと思います。
>何か、規格のようなものは存在するのでしょうか?
>また、規格が無い場合はなぜ、鋼材のヤング率の計算方法には
>明確な規格が無いのでしょうか?
鋼材のヤング率の試験方法や算出方法については、ここで議論されているように、JIS Z 2241「鋼材の引張試験方法」の中にも規定されていないし、関連学・協会の仕様書類の中でも明確に規定されているものは見たことがない。
ただし、当方が知る中では唯一、JIS Z 2280「金属材料の高温ヤング率試験方法」の中で、高温条件下ではあるが、ヤング率の測定方法についてひずみケージ法と押当式変位計法の二つの方法について試験方法が明記されているので、これらを参考とすると良いかも知れない。
この規格の中では、静的ヤング係数を「静的な荷重によって得られる弾性変形領域の応力とひずみの関係から求められるヤング率」と定義し、荷重領域についてはその試験方法で「引張荷重は0.2%耐力の50%以下の荷重とする」ことや、ヤング率については「荷重-伸び曲線の勾配から求める」と規定していますが、コンクリートのヤング係数のように、ある特定の荷重点(破壊強度の1/3とか)や勾配の範囲(50μ〜1/3の範囲とか)での算出方法は規定されておりません。
ここで、なぜJISや関連学協会の仕様書類で鋼材のヤング係数の試験方法が規定されないのかというと、ご承知のように鋼材のヤング係数は、引張強度の大小にかかわらず軟鋼でもPC鋼棒でもほぼ一定の値(一般的には200kN/mm2や205kN/mm2とか)をとるという特性があるため、関連する鋼材のJIS規格、例えばJIS G 3112「鉄筋コンクリート棒鋼」、JIS G 3109「PC鋼棒」、JIS G 3137「細径異形PC鋼棒」、JIS Z 3536「PC鋼線及びPC鋼より線」、JIS Z 3101「一般構造用圧延鋼材」の各規格では、降伏点又は耐力、引張強さ、伸び、曲げ性、化学成分などについては規定されているものの、ヤング率については品質規準値の規定がされていないことや、コンクリートのヤング係数のように関連学協会の仕様書類で設計に使用したヤング係数と実際のコンクリートのヤング係数の整合性についての検証が義務付けられていないことなどにもよるのではないでしょうか。
ちなみに、JIS Z 2280の算出手法でも、泣くな横浜さんの算出方法でも、算出されるヤング係数は両者とも比例限界内なのでほぼ同一の値となりますし、鉄筋でも引っ張り始めは応力-ひずみ曲線が安定しないことが多いので、個人的にはあながち否定されるべき手法とはいえないと思っておりますが。
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