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■亀の子コンクリート考
第二十八回:コンクリートの改善に役立つケミカルは何だろう 小林 映章

前回、鉄筋コンクリートは機械的強さに関しては万全であるが、水や空気で運ばれてくる活性物質に弱いから、それらを防ぐ手段をもっと考えなければならないことに言及した。鉄筋コンクリート構造物を化学的な侵蝕から守るには、水の浸透と、空気(CO2など)の侵入を防ぐ手段を講じることが必要である。

今では撥水作用に優れたコンクリート混和剤が開発されており、これにより水の浸透を防止できるようになっている。しかし、このような混和剤は、低分子の界面活性剤で、コンクリートの寿命から考えると耐久性が十分とは言えない。ヒビ割れのような大きな傷の補修は無機の結合材を使用しなければならないが、傷の小さいあるいは無傷に見えるコンクリート面からの水の浸透を無機物で防ぐのは困難である。有機物を使用せざるを得まい。有機物となるとポリマーを考えるのが妥当である。気体の透過防止についても、相手がコンクリートでは、ポリマー以外に適当なものは浮かばない。

そこで、大分古い資料になるが、ポリマーの水(水蒸気)およびCO2の透過係数(PH2OおよびPCO2)を調べてみた。そのうちの幾つかを下の表に示した。

ポリマー種類 PH2O(×1012 PCO2(×1010
ポリ塩化ビニリデン 3.5 0.029
ポリ塩化ビニル
48
-
ポリテトラフルオロエチレン 2.6
53
ポリクロロトリフルオロエチレン 2.6 0.074
ポリ酢酸ビニル
850
-
ポリエチレン 6.3〜11
35
ポリプロピレン
-
9.3
ポリスチレン
98
46
ポリエステル(PET)
21 0.15
ナイロン
240 0.16
エチルセルロース
2120
59
天然ゴム
150
131
ブチルゴム 10.4
5.2
塩酸ゴム 11.5
-
シリコーンゴム
-
3150
(注) 単位:PH2O(g・cm/cm2・s・cmHg); PCO2cm3(STP)・cm/cm2・s・cmHg)
測定温度等:PH2Oは40℃, R.H.90%; PCO2は30℃

水を遮るには透過係数が約10×10-12以下であることが望ましいと言われている。CO2の侵入を遮るには、透過係数が10-10オーダー以下がよいと考えられる。表には概当するものに*印を記した。防水材料としては、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエチレン、ブチルゴム、塩酸ゴム、および、それ以外に、塩化ビニリデンの共重合体、エチレンの共重合体等がよく、CO2用には、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエステル、ナイロン等が良好である。

表には示さなかったが、N2の透過係数PN2も調べられている。それを用いてPCO2/PN2を計算すると、15〜30の範囲でほぼ一定である。これに対して、PH2O/PN2は40〜35,000と広範囲に変動する。N2は不活性ガスで、ポリマー膜内の孔の径に依存して透過することを考えると、CO2はほぼポリマー膜の分子間隙の大きさに依存して透過すると考えられる。一方、H2Oは高分子に対する親和性(言い変えるならば極性)に従って透過すると考えてよい。

防水防湿材となるための最小限の要素は、(1)疎水性の構造単位よりなること、(2)分子が高度に対称性を有することで、防水材料としてはこのようなポリマーを選択するとよい。また、耐CO2材料は、分子間隙の小さい、目がつんだ膜を形成しやすいポリマーがよい。さて、上記のように、耐H2O、耐CO2の両者を満足するものは、塩化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンで、いずれもハロゲンを含むポリマーである。将来のコンクリートの再利用を考えるとこれらは好ましくない。二番手になるが、ポリエステル樹脂やブチルゴムは比較的好ましい。これらの樹脂の改良か、2重膜構造がよさそうである。


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