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伊藤教授の土質力学講座
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第2章 土の基本的性質および物理的性質
2.6 土の締固め
土に静的な圧力、衝撃力あるいは振動などの力を加えて、人工的に密度を
高めることを締固めという。
土は締固められることによって、間隙がせばめられ、粒子間のかみ合わせ
がよくなり、また粒子間に働く粘着力が増してくる。
その結果、土の強さを増し、また圧縮変形が少なくなり、透水性が改善さ
れることになる。すなわち土の安定性を増すということになる。
この章で土の締固めを取り上げたのは、前章に関連して水分による土の性
質の変化ということと、締固めた土の相構成の相対関係の変化ということを
問題にして述べることが本旨である。

2.6.1 含水比−密度の関係
適当に乾燥させた土を、一定容積のモ−ルド(たとえば JSF T 711 では、
直径10cm、たかさ12.7cm、容積1,000〓)に、一定の衝撃エネルギ−(2.5kgの
ランマを30cmの高さから落下、土を3層にわけ25回突固め) を与えて締固め
る。次に含水量だけを少しずつ増すようにして、同じ条件で締固めを行なう。
その一連の締固め試験を通じて、1回ごとの含水比wと密度γd とを測定し、
横軸に含水比を縦軸に乾燥密度をとってグラフに表わしてみると、図−2.
11のような曲線が得られる。
 

この曲線をみてわかるように、初めは含水量が増すに従って乾燥密度が増
加していくが、ある含水比のところを境にして、その後は含水量の増加に従
って密度が減少していく。
この曲線が含水比−間総密度曲線で、乾燥密度が最大になるところの含水
比を最適含水比OMCあるいはWopt)といい、その含水比での密度を最大乾
燥密度(γdmax)と呼んでいる。
またそれに関連して最適含水比以下の含水量を乾燥側、それ以上の含水量を
湿潤側と呼んでいる。
土の種類や締固めエネルギ−によってそれらの値は違ってくるが、w−γd
曲線の傾向は同じである。
締固めた土の相構成は、固相−液相−気相の3相よりなっているが、気相
部分を水で満たして、Va=0と考えたときの理論上の密度をゼロ空気間隙
密度という。各含水比−乾燥密度関係ごとにそれを求めて、1つの曲線を描
いたものをゼロ空気間隙曲線あるいは飽和曲線といっている。
ある含水比wで締固めた土の乾燥密度γdは次式から得られる。

 
ここに、γtは締固めた土の湿潤密度である。
 
実際に締め固めた土は、完全に飽和されていないので、含水比−密度曲線
は、理論密度(ゼロ空気間隙曲線)よりも低い値を示す。
ある含水比wの土の理論密度は、空気間隙率na を関数として、次のよう
に表わされる。

またna を一定として、飽和度Sr で表わすと、(2.17)式は、

 
 
(2.17)式、(2.18)式において、土が完全に飽和されている状態、すなわち
Va=0、Vv=Vw、na=0、Sr=1である場合には、

 
となる。これはゼロ空気間隙曲線における密度を表わしている。
土の締固め試験は、JSF T 711 に規定する方法によって行なう。

2.6.2 相対密度
ある状態で堆積している砂層を考えてみる。その砂の自然状態での間隙比
あるいは乾燥密度がeあるいはγdであったとする。
この砂は、たとえば静的な圧力を加えるか、あるいはなんらかの方法で締
固めたとき、現状よりもさらに密実化されるかどうか。また密実化されると
すると、どの程度の締固めが可能であるかといったことを検討するには、相
対密度という形で表わしてみると便利である。
相対密度とは、対象とする砂の間隙体積の減少しうる最大量に対する現状
の砂が実際に減少しうる間隙体積の比で、次式で表わされる。

 
ここに、 e、γd:現状での砂の間隙比と乾燥密度
emax、γdmin:同じ砂の最もゆるい状態での間隙比と密度
(室内試験で得る)
emin、γdmax:同じ砂の最も密な状態での間隙比と密度
(室内試験で得る)
 
自然状態での砂が最もゆるい場合には、(e=emax)であるからDr=0
であり、また最も密な状態にある場合には、(e=emin)であるからDr=
1である。
すなわち、Dr は0〜1の範囲にあって、一般には砂の締まりの状態を判
定するのに、次のような区分がなされている。
0<Dr <1/3 : ゆるい状態の砂
1/3<Dr <2/3 : 中くらいに締まった状態の砂
2/3<Dr <1 : 密なあるいはよく締まった砂
emax、edminの値は砂の粒度や粒子形状、細粒分の含有量などによって
変わる。表−2.7に、それらの条件を入れた砂の間隙比の概略を示す。
表−2.7 粒度や粒子形状による砂の間隙比の概略値

 

2.7 土の分類
土はその生成過程や堆積環境などの違いによって多種多様のものがある。
そのように雑多なものをそのままの形で取り扱うのは不便であるので、でき
れば土の共通する性質をみつけ、その共通性をもとにしていくつかのグル−
プにわける必要が起こってくる。
その場合、土の共通する性質を何におくかということが重要である。それ
を、たとえば「粒度」において考えてみよう。粒度の測定は比較的簡単で、
それぞれの混合比(粒度組成)によってグル−プ分けをすることができる。
すなわち土の粒度をベ−スにした分類法が考えられるわけである。
しかしその場合、1つの大きな問題が残される。それは、同じグル−プに
分類された土は、工学的にもほぼ同じ性質を持つものでなければならないと
いうことである。
前にも述べたように、砂や礫のような粗粒な土では、粒度と工学的な諸性
質の間にかなり密接な関係を持っているけれども、粘土や火山灰質土のよう
な細粒土にあっては、粒度と工学的性質の間には一定した関係が見られない
ことがわかっている。
すなわち粒度だけによる分類では、不十分であるということである。
そこで細粒土の場合も含めて有意義な分類を考えるには、粒度以外のなん
らかの性質を分類特性として選ぶ必要がある。
都合のよいことに細粒土ではコンシステンシ−の性質がその目的に適うも
のであることがわかっている。
以上のようなことから、土の工学的分類では、分類特性として土の粒度と
それに合わせてコンシステンシ−(液性限界と塑性限界あるいは塑性指数)
とが用いられている。

2.7.1 土の工学的分類法
工学的分類法として提案されているものは、かなりの数がある。一般によ
く用いられている分類法としては、表−2.8にあげたような種類のもので
ある。AASHO分類法の利用目的からもわかるように、工学的分類法はも
ともと土を1つの材料として考える場合に便利なように、その分類表が作ら
れていたのであるが、最近ではそれの利用範囲を広げ、地盤土を対象とする
場合にも用いられるように分類表が作り直されてきている。
表−2.8 代表的な分類法の種類

 
AASHO分類法は、もっとも古い歴史を持っていて、路床土の分類荷は
信頼性が高い。しかし利用目的が限られているということと、統一分類法の
ような利用表を完備していないという不便さもあって、最近では統一分類法
が一般によく使われている。ここでは、統一分類法とAASHO分類法の2
つを代表的なものとしてあげ、加えて日本統一分類法として土質工学会から
提出されたものを紹介する。

2.7.2 分類の条件と基準値
粒度とコンシステンシ−に関する条件として、表−2.9に示すような項
目があげられ、またそれぞれの項目に対する基準値が示されている。
 
表−2.9 統一分類法とAASHO分類法の場合の分類基準

 

2.7.3 分 類 表
分類手順をわかりやすくするため、統一分類法とAASHO分類法の分類
表を、それぞれ図−2.12および図−2.13のように図で示した。
 

統一分類における記号は表−2.10のような内容で、それを組み合わせ
て分類名とする。
たとえばGPという分類記号は、「粒度のよくない礫」、SMというのは、
「シルト質の細粒分を含んだ砂」といったことを表わしている。
 
表−2.10 統一分類法で用いられる記号の意味



2.7.4 塑 性 図
細粒土の細分類あるいは粗粒土に含まれる細粒分の分類には、図−2.1
4のような塑性図が用いられる。統一分類法では、A−線の上にあるか下に
あるかによって粘土とシルトあるいは有機質土を分ける。またWL =50の縦
線を境にしてそれの左側にあるか右側にあるかによって圧縮性の大小が区別
されるようになっている。

 
図-2.14 塑性図

2.7.5 日本統一分類法
わが国には、第1章に述べたように火山に起源をもつ火山灰質粘性土が広
く分布している。火山灰質粘性土は、土の粒度とコンシステンシ−を分類特
性として分類しても、一般の無機質粘性土とはまったく違った性質を示す。
たとえば、関東ロ−ムの工学的性質が非常に特異な性質を持っていることが、
一般によく知られている。
そのような事情もあって、日本独自の土の分類法の確率が急がれていたが、
1969年にその試案が出された。
分類基準は、アメリカの統一分類法に準じたものであるが、細粒土の中に
火山灰質粘性土(VHとVL)が組み入れられ、また、塑性図におけるCHと
MHとの境界を、図−2.14のC、D線で表わすのが適当であることが提
案されている。

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