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水の話
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■水の話 〜化学の鉄人小林映章が「水」を斬る!〜
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1章 水の構造と性質 小林 映章

1.1 水の構造

1.1.2 クラスター
―水のクラスターは短寿命で生まれ変わる―
 水の話をするときによくクラスターという言葉が出てきます。化学ではクラスターは次のように定義されています。「2個以上の分子又は原子がファンデルワールス力や水素結合などの比較的に弱い相互作用で集合したものをクラスターと呼ぶ。」 液体の水は水素結合によりクラスターを形成している代表的な物質です。水のクラスターの例を図2に模式的に示しました。


図2 水クラスターの模式図

 よく知られているように、液体状態の水は孤立した水の分子、H2O、が集まったものではありません。古くは六方晶系の結晶構造をした氷に類似した形の水素結合を作って集まった会合体と水素結合をしていない水分子の平衡状態を考えていました。しかし近年は実験と分子軌道法と呼ばれる方法による計算の両者が進歩した結果、液体の水のイメージが大分変化してきました。

 液体水の水素結合の数をある方法で計算した結果によりますと、1個の水分子の水素結合数は、0個、1個、2個、3個、4個の5種類です。つまり全く他の水分子と水素結合を作っていないもの(0個)と他の水分子1個乃至4個と水素結合を作っているもの(1個、2個、3個、4個)から成り立っていることになります。この分布を見ますと、2個水素結合したものが最も多く、一山型の分布になっています。平均値は2.3個です。この結果は何を意味しているか考えてみましょう。液体の水が、氷に類似した形の水素結合を作って集まった会合体と水素結合をしていない水分子の平衡状態より成り立っているとしますと、1つの水分子が作る水素結合の数は、0か4ということになり、上記のような分布にはなりません。(氷の場合は、1個の水分子は他の4個の水分子と水素結合を作っています。)

 現在最も信じられている液体水のクラスターは、直鎖や枝分かれしたn量体のクラスターと、 四角形から十一角形にわたる多角形のクラスター(このうち五角形の量比が最も多い)の混合状態と考えられています。

 液体水のクラスター状態でもう一つ重要なことは、クラスターが長時間安定して存在しているものではなく、1ps(10−12秒)のオーダーで生まれたり壊れたりしているというものです。つまり、非常に動的な構造をしているわけです。これは重要な知見であって、しばしば言われている、「普通の水は巨大なクラスターを形成しているが、何らかの微弱なエネルギーを受けるとその構造が小さくなって、例えば生物細胞であるとか、固体物質の極微小な組織内に浸透し易くなる」といった説が非常に怪しいことがうかがわれます。

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