レイ・コーポレーションの焼却灰安定化処理技術
〜資源と施設の再活用が新たなビジネスチャンスを拓く
(1)立志:厳しい時代に活路を見出す技術開発を
 |
|
財団法人福井県産業支援センターの平成16年「新事業フロンティア大賞」奨励賞を受賞した。
|
地球を守るために限りある資源の有効活用を実現することは、コンクリート業界に携わる私たちにとっても他人事ではなく、
むしろ社会的命題と言ってよい。
今回ご紹介する株式会社レイ・コーポレーションが日工(株)と共同で開発した
焼却灰安定化処理技術は、そういった命題に応え、尚且つ新たなビジネスチャンスを提供するものとして
注目に値するものだろう。
「レイ・コーポレーションの焼却灰安定化処理技術」は地域ごとに出来る焼却灰の安定化処理を考え、
焼却灰を再生骨材にしてコンクリート用骨材として再利用するものであるが、
余剰となった生コンプラントを処理施設として再活用することで
安定化処理を「安全に安価に行える」ことが特筆すべき点である。
企業である以上、業界を取り巻く昨今の厳しい状況の中で、
いかに新たなビジネスチャンスを掴むかは重要な問題であり、
「環境問題」と「企業としての利益追求活動」それぞれへの答えとなりうる
「レイ・コーポレーションの焼却灰安定化処理技術」は、業界にとっての福音となるかも知れない。
平成16年福井県「新事業フロンティア大賞」奨励賞を受賞し、平成17年7月20日には
兵庫県明石市日工(株)本社にてモデルプラントの一般公開も行われたこの技術について、
以下に詳細を紹介していきたい。
開発のきっかけ
 |
セメント、生コンの出荷量は長らく減少傾向にある。
厳しい時代を生き抜くためには新たな技術開発が必要。
|
レイ・コーポレーションによると、焼却灰安定化処理技術の開発のきっかけは
コンクリート業界を取り巻く現在の厳しい環境にあったという。
ご存知の通り、公共工事・生コン出荷量・プレキャスト製品出荷量のいずれもここ数年は減少傾向にあり、
未来の展望も決して明るいとは言えない。
今後10年のビジネスを睨んだ時、現在の設備・知識・経験を生かす新しい
技術開発が必要と考えた末に導かれたひとつの答えが
「エコ・リプロダクト・リサイクル」であり、その思考がやがて
「地域ごとに出来る一般廃棄物焼却灰のリサイクル」へと昇華されたのだという。
「レイ・コーポレーションの焼却灰安定化処理」が「安全・安価に行える」技術であることは、
厳しい時代に生き残るために開発されたという出自を考えればいわば必然なのである。
焼却灰の現状 〜再生活用は必須
 |
一般廃棄物の処理の流れ(平成8年度)
焼却施設からの資源化量はごくわずかで、ほとんどは最終処分場に埋め立てられる。
|
可燃ごみを燃やした残渣が「焼却灰」であるが、現在年間600万トンもの
焼却灰が最終処分場に廃棄されているという。
日本の家庭から出るゴミの量が年間6000万トンというから、いかに大量の焼却灰が
無為に処分されているかおわかりだろう。
毎年600万トンもの焼却灰を処分するにはそれだけの最終処分場が必要となるのだが、
現在最終処分場は新設する事が困難な状況にある。
そのため、いかに焼却灰を減らすか、言い換えればいかに焼却灰を再生利用するかは
環境問題を考慮する上で避けては通れない道なのである。
焼却灰を骨材として再生利用 〜既存技術の問題点
最終処分場に持ち込まれる焼却灰をいかに減らすか、その解のひとつがコンクリート骨材としての
再生利用なのだが、既存の技術でこれを実現するには色々と問題があった。
まず第一に、再生処理を行う施設の建造費である。
レイ・コーポレーションの調査によると、プラントの構築に10億円以上の予算が必要となると言う。
また、第二の問題として採算性がある。
投資をして施設を整えても採算がとれなければどうしようもないのだが、
そもそもプラントの構築に莫大な投資を行う以上、採算ラインのハードルが上がるのは
当然で、少なくとも年間数万トン単位で処理をしないと「ビジネス」として成立することは難しくなる。
そして第三の問題は、どれだけごみの削減に貢献できるかという、
ある意味最も根源的ともいえるもので、調査によれば既存の技術では
焼却灰1(容積)に対して6(容積)の再生骨材ができることとなり、つまりこれは
却ってゴミを増やす結果になってしまうのだという。
レイ・コーポレーションの技術開発目標
前述の通り、既存の技術で焼却灰をコンクリート骨材として再利用するには大きな問題があった。
こうした問題を解決し、真に有効な焼却灰処理技術を確立するために、
レイ・コーポレーションは以下の技術開発目標を掲げた。
- 地域に密接したものとなること
- 生コンプラントを改造して事業が行えること
- プラント建設費が新設1億円以下、改造で5千万円迄
- 焼却灰1(容積)に対してリサイクル骨材が1.5以下
4のリサイクル効率の向上も勿論重要ではあるが、2、3にも注目である。
余剰となった生コンプラントを抱える企業からすれば、施設を活かすという点でも導入コストを抑えるという点でも
価値のある開発目標と言えよう。
ではその結果、どのような技術を確立したのか。
次頁では引き続き、レイ・コーポレーションの技術確立とその検証・実証について述べていきたい。
関連リンク
「コンプロテクノフォーカス」は企業・新技術をPRする有償スポットです。
掲載のお問い合わせはinfo@con-pro.netまでどうぞ。
|