Re: 圧縮強度の出なかったコンクリート構造物の取扱い

某県土木職員 wrote.

>圧縮強度の出なかったコンクリート構造物の処置に困っています。
>
>高さ８ｍの鉄筋の入った重力式擁壁です。
>２８日圧縮強度は、生コン工場の水中養生の供試体でも現場養生のコアでも呼び強度以上が出ていました。
>しかし、完成検査の時、材齢６０日にあたる擁壁をシュミットハンマーで試験した結果、圧縮強度が呼び強度の１／２〜３／４程度しかでなかったために、コアを抜いて試験しましたが、やはり２／３程度です。
>
>この場合、擁壁を取壊して作り直してもらうことになるのでしょうか。
>それとも、構造物の設計強度を上回っていれば良しとするのでしょうか。
>
>みなさんのご経験をお知らせ下さい。
>

設計基準強度を上回っていれば、構造的には問題ないかもしれませんが、耐久性について検討してみてはいかがでしょうか？
　一般に、強度の高いコンクリートほど中性化の進行速度などの耐久性に関する性質が優れています。構造的には問題が無くても、耐久性の面で問題がある可能性があります。

調査方法としては、
　構造体から採取したコアを使って中性化の促進試験や、かぶり厚さの測定、精度は落ちるけど配合推定で水セメント比を求めてみたりをしてみたらどうでしょうか？
　試験結果から、中性化の進行予測を行い鉄筋位置に達するまでの時間を推定して、期待する供用年数以上であれば問題ないと判断できます。（中性化の進行予測を正確に行うことは難しいですが、標準的な中性化速度との比較はできると思われます。また、塩害や凍害の影響を受ける地域ではそちらの検討も必要と思われます）
　中性化の進行が期待する供用年数よりも短い場合には、中性化の進行を抑制する対策が必要であると思われます。（表面被覆など）

経験者１

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2003-09-09 20:24:33

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