Re[3]: 鋼材のヤング率測定方法

泣くな横浜 wrote.

>鋼材のヤング係数の算出に、コンクリートの方法を適用することは
>妥当かどうかは、私も明確に判断できませんが
>測定者が個々にＳＳ曲線の直線部分と思われる箇所に
>直線を引いて算出するより、測定方法の標準化という点では
>これもありかなと思ってます。

あなたが頭の中でイメージしていることがどうもよく把握できないのですが、
「応力-ひずみ曲線の初期比例部分勾配（＝ヤング率）を求める過程で直線を引くはずだが、その基準となる２点が、
コンクリート圧縮静弾性係数試験JIS規格のように、（応力・ひずみ）の明確な座標２点として定義されるべきだ」
という主張ですかね？

もしもそうであれば、鋼材の応力-ひずみ特性（降伏点応力以下）はフックの法則がよくあてはまる線形弾性材料なので、
「２点を決めて直線を引く」という考え方はしません。
昔であれば、あなたの言うとおり、
「測定者が個々にＳＳ曲線の直線部分と思われる箇所に直線を引いて算出する」
という方法が用いられ、それで充分とされていました。
現在では、測定方法のデジタル化・自動化が進んでいるので、試験機メーカーのデータ自動処理手順としては、
（応力・ひずみ）曲線の直線比例部分の上の多数の点をサンプリングしデジタルデータとして求め、それらのデータに
回帰直線をフィッティングするという方法をおそらく採用しているでしょう。

また、ＰＣ鋼材、冷間圧延鋼材、高張力鋼、ステンレス鋼のように明瞭な降伏点を有しない鋼材では、残留ひずみ0.2％点をもって
降伏点とみなす「0.2％オフセット法」が一般的に採用されますが、その場合の自動データ処理手順としては、これもおそらくですが、
（応力・ひずみ）関係の原データから数値微分を行って、各ひずみ段階に対する応力-ひずみ曲線の勾配の変化率を求め、
その変化率曲線に回帰線をフィッティングさせることにより、もとの応力-ひずみ関係の初期勾配をよく表現する直線を得ているはずです。
なお、「0.2％オフセット法」の説明は、鋼材の機械的性質を規定するJIS規格にちゃんと記述してあります。

JIS規格等で上記の作業手順（？）が試験法として規定されていないのは、
ヤング率とは、
①降伏棚を有する応力ひずみ関係では、直線比例部分の勾配
②降伏棚が明瞭でない場合は、0.2％オフセット法で用いる直線の勾配
であるとみなすのが「当然」、と言うか、「それこそがヤング率の定義である」と鋼材・金属材料の分野では考えられているからです。

もしかすると、「鋼材用語」のJISなんかに記してあるかもしれません。

生コン部外者

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2009-05-21 14:13:31

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