■私のコンクリート補修物語
第06回:コンクリートの乾燥条件と中性化の進行 堀 孝廣

さて、中性化の進行がコンクリートの乾燥状態と密接な関係があることがわかった。
下の図は、依田彰彦先生等が1983年の建築学会で報告したものである。

屋外よりも、屋内の方が中性化の進行が3倍早いと言われており、その原因として二酸化炭素の濃度が屋内の方が3倍高いという説明をされることがあるが、必ずしも炭酸ガス濃度のせいばかりではない。 屋内のコンクリートは乾燥条件にあり、炭酸ガスがコンクリート内に透過し易くなっている影響が大きいのである。
更に依田らは、広畑市内に実在している31年経過した高炉セメントB種を用いたRC造体育館を調査し、下の図に示す報告をしている。


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