■コンクリートの締め固め 「なぜバイブレータを掛けるのか」
1.なぜバイブレータを掛けるのか

固まっているコンクリートを見ると、それは強固で、均質で、ゆるぎのないものの様に思われます。

ところが、このコンクリート、練られた直後では、固体で大きさも異なる砂や砂利、セメント、液体である水、気体の空気泡と全く異質なものの混合物にすぎず、各物質どうしはそれぞれの摩擦力によって一応の形は成すものの、実は他の物質と混ざり合うことに抵抗しています。

そこで、コンクリート打設において、練り混ぜたフレッシュコンクリートにバイブレータで適度な振動をあたえると、液状化によりコンクリート密度を高め、不要な混入空気を除去し、骨材が均等に分布した、強度が高く かつきれいなコンクリート構造物 (製品) がえられるのです。

また コンクリートとは化学変化をしない骨材を、化学変化して固まるセメントと水で結合したもの とも言えます。化学変化する鉄筋を守っているのは カブリ部分のコンクリートのアルカリ性質と水や大気すらも通さない密実性だけなのだ、という事も知っておいて下さい。

コンクリート打設実験の一例

↑バイブレータとセンサーの差し込み位置

打設と振動の測定

丸印部のコアを抜く

↑内部の状態を確認する

*この講座はエクセン株式会社の協力・承諾を得てお送りしています。

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