Re: キャッピングに用いるセメントについて

卒論生 wrote.

>キャッピングについて質問があります。
>
>早強セメント(W/C＝55％)をもちいたコンクリートの場合、キャッピングにはどのセメントを使用すればよいのでしょうか。
>
>昨年度までは、どのセメントでも早強セメント(W/C=28％)を用いていたようですが、今年は、普通セメントを用いた供試体には普通セメント(W/C=28％)を使用してキャッピングを行っています。
>
>よろしくお願いします。

通常、キャッピングに用いるセメントペーストの水セメント比は高性能ＡＥ減水剤等を用いなければ27〜30%程度となるのが一般的です。
ここで、以前当方で実施した各種セメントを使用したW/C＝30%のセメントペーストの材齢と圧縮強度の関係を例示すれば以下の通りです。
なお、供試体はΦ5×10cm。

　　　　　　　　　　　　　　　圧縮強さ(N/mm2)　　　　　　　　　　
セメント種別　　　　　　　1d 3d 7d 28d
普通セメント　　　　　　 31.9 53.9 62.0 76.9
早強セメント　　　　　　 54.0 65.5 69.4 85.3
高炉セメントＢ種　　　　 26.4 47.3 63.0 71.8

したがって、よほどの初期材齢での試験でなければどのセメントを使用しても問題ないものと考えられます。高強度コンクリートの場合は研磨が原則とされていますし。
なお、JIS A 1132ではセメントペーストの厚さは極力薄くすることと明記されておりますが、これは一般のコンクリートの供試体の場合と同様、セメントペーストでも載荷面の直径に対する高さが小さくなればなるほど、端面の拘束の影響により、より大きな応力に耐えることが可能となる(見かけ上の強度が大きくなる)ためです。したがって、通常強度レベルにおける試験の場合、現実的にはキャッピングのペースト強度は供試体そのものの強度よりも多少小さくても圧縮強度の試験結果にはあまり大きな影響はないというのが通説です。(決して低い強度のペーストでの試験をお勧めするわけではありませんが)
これに関しては、アンボンドキャッピングの載荷面がゴムでも問題ないことなどを考えていただければ理解しやすいかも知れません。
ご参考まで。

ご隠居

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2008-06-25 03:29:50

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