Re: 主任技士試験の小論文

今回は今までと違って選択問題ではないのですね。

さて問題ですが、
「…コンクリート構造物の長期にわたる信頼性を確保するうえで重要と思われる技術をあげ、その技術の概要と適用にあたっての留意点ならびに適用して気づいたことについて…」
とありますから、前提条件として「信頼性」とは何かを知っておく必要があります。

「信頼性」とはJISでは「アイテムが与えられた条件で規定の期間中、要求された機能を果たすことができる性質」（JIS Z 8115「信頼性用語」）と定義しています。
簡単に言えば、「コンクリートが供用期間中有害な欠陥・不具合を発生しないで機能する性質」であり、時間的品質を表しているといえます。

従って概念としては、それぞれの分野で供用期間内に所要の品質を確保出来るコンクリートを如何にして作るか、ということを考える必要があり、その一つには耐久性があります。
したがって何らかの技術的項目をあげることになるわけですが、こと信頼性ということになれば、技術的裏付けの成されたものを、充分な経験を基に、確実に管理し、履歴をはっきりする、必要があります。

誤解を恐れずに言えば、単に「耐久性」が高ければ「信頼性」が確保出来る、というものではなく、必要以上の耐久性は「無駄」になりますし、管理が不十分だったり、何らかの弊害があるような技術であれば所要の「信頼性」は確保出来ないことにもなります。

多くの場合、自分の業種のみで自慰的に考えてしまいがちですが、信頼性に関することは官、学、使用者、設計側、施工側、製造側、材料側なりが、それなりに連帯して情報共有し、お互いの技術力を高めながら行わなくては到底確保出来ません。

なぜ、「耐久性」ではなく「信頼性」とされたか、つまりは次々に発覚する様々な偽装を事前にチェック出来なかったことや、例の溶融スラグ問題に対するアンチテーゼ、と考えれば出題の意図も一定の理解が出来ますね。

あまり踏み込んでませんが、ご参考までに。

YORYK

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2008-12-01 23:21:03

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