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記事詳細
記事番号
25653
タイトル
Re: 曲げモーメントと平面保持理論
本文
> まず、中立軸を算定するのに、よく使われる直角相似三角形ですが、これはイメージとしては、二等辺三角形の相似形としないと理解しにくいと思うのです。図にかければ解りやすいのですが、▽と△の8の字形のように。
うーん。頭の中に描かれているモデルの状態が、梁理論が意味する弾性論の応力〜ひずみ状態とは、根本的に違っているように思います。 あの直角相似三角形が意味するのは、梁の途中(2支点間中央ではない)1点において材軸に垂直な仮想平面で梁を切断した場合の、その切断面に生じている軸方向ひずみの縦方向の分布を表すグラフであることを理解していますか? グラフですから、材軸方向z軸に垂直な縦方向y軸を基準に、中立軸から下には引張方向(正)ひずみの値を、上には圧縮方向(負)ひずみの値を描くのです。 決して、具体的な変形状態の外観を表す図ではありません。 もしかすると、梁の一部の短い長さdzを取り出し、z=zの面とz=z+dzの面の2面に作用する曲げモーメントによって、無載荷状態では長さdzだった長方形部分が台形に変形することを表した図と混同しているのでは? 前述のひずみ分布に対して、さらに、梁を構成する材料が圧縮力にも引張力にも完全弾性である(降伏点に達していない鋼材のように)とするならば、応力〜ひずみ曲線の勾配すなわちヤング係数を用いてσ=Eεでひずみから応力が求められるので、その断面内の縦方向応力分布もひずみ分布と同様に中立軸を挟んだ直角相似三角形で表されます。 > また、中立軸回りのモーメントの総和は、曲げモーメントに等しい、というのもよくわかりません。これはCzやTzとも等しいのでしょうか。 これもなあ。根本的に「外力」「内力」「(仮想断面に作用する)応力」「(断面上に分布している)応力度」「応力度の合力」などが分っていないとしか。 説明長くなりますが、挑戦してみましょうか。 2つの支点間に梁を掛け渡し載荷荷重を作用させると、載荷点〜梁内応力〜支点という経路で力が伝わって、結局、2種類の外力である載荷荷重と支点反力が釣合い状態になります。このとき、載荷荷重と支点反力では実際の作用点が異なるにもかかわらず釣合い状態になるのは、梁の断面内応力(内力)によって力が伝達されるからです。(早い話が、もしも梁が存在しなければ載荷荷重と支点反力が反対方向に作用しても互いにスカ喰らってしまい釣合うことができない。) でもって、その釣合い状態において、材軸方向に垂直な一つの平面で梁を「仮想的に」切断し、片側を「仮想的に」取り去ります。すると切断面の片側の断面が見えるはずですね。 その状態で、残った片側が元の位置のままで釣合っていられるためには、その見えている断面に対して、取り去った側から、 ①曲げモーメントが作用することにより、残された梁の片側の「部品」の全体でx軸周り回転力が釣合い、 ②軸方向応力が作用することにより、残された片側の「部品」の全体でz軸方向の力が釣合い ③断面に平行なせん断応力が作用することにより、残された片側の「部品」の全体でy軸方向の力が釣合っている のでなければなりません。 上記①②③が全て断面に作用する「内力」であり、面に作用する力であることから「応力」とも呼び、その応力の大きさを表すのが、応力をその作用面積で除して得られる「応力度」です。 上記②の応力を引張方向(中立軸よりも下の断面に分布)と圧縮方向(中立軸よりも上の断面に分布)に分けてそれぞれを合力にすると、TzとCzになります。このTzとCzは大きさが等しく、作用点間の距離を隔てた偶力とみなしてモーメントを求めると、それが上記①の断面内曲げモーメントに一致します。 また、このような曲げモーメントが生じる「原動力」は、梁に作用する載荷荷重と支点反力なので、その両者から求められる、梁に沿った支点間の各点で生じている曲げモーメントとも一致します。 こんなところかな。なにしろ図が描けないので・・・。 力学的に正確な表現については構造力学の教科書を参照してください。 お名前
生コン部外者
レスへの感心度
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登録日時
2009-04-24 23:10:07
最終修正日時
2009-04-24 23:10:07
[25653] Re: 曲げモーメントと平面保持理論 生コン部外者 2009-04-24 23:10:07 [返信] (> まず、中立軸を算定するのに、よく使われる直角相似三角形ですが、これはイメージ…) [25707] Re[2]: 曲げモーメントと平面保持理論 徳四郎 2009-04-28 12:33:17 [返信] (丁寧なご回答ありがとうございます。 ある程度長い部材の軸方向に垂直で、微細な厚さ…) [25711] Re[3]: 曲げモーメントと平面保持理論 生コン部外者 2009-04-28 17:17:27 [返信] (理解の一助となれば幸いです。構造力学の導入手順が、通常、静定構造物(部材のひずみ…) |