Re: ひび割れだぁPart２

橋脚のひび割れでお困りのようですね。
お話から想像しますと、投稿者の方がお考えのように、恐らくマスコンクリートの内部拘束によるひび割れが有力かと思われます。断定はできませんが。
ご存知のように内部拘束によるひび割れは、コンクリートの内部と外部の温度差によるコンクリートの体積変化の度合いが異なることにより、コンクリート表面に引張応力が生じて発生するものです。
このため、ひび割れ方向は一定にならないことが多いと思われます。また、発生時期も内部外部の温度差が最も大きな時期、つまり、打設後２〜５日程度の初期や脱型時期に発生するとされるのが一般的です。
一方、外部拘束によるものは、一端膨張したコンクリートが温度の低下で縮む際に発生するため、拘束に対して方向性を持つひび割れがでるものとされます。
さて、内部拘束ひび割れについてですが、一般的には有害ではないと判断されるようです。
例えば、土木学会　コンクリート技術シリーズ「マスコンクリート技術の現状と動向」という文献、ｐ69に、「内部拘束ひび割れについて型枠脱型にともなう急激な温度変化によって発生することもある。ひび割れの深さは、表面部にとどまることが多い。多くの場合には50〜60㎝以内である。ひび割れの幅は時間が経過しても大きくはならず、逆に閉じる傾向を示すこともある」という記述があります。
また、土木学会2002制定コンクリート標準示方書施工編ｐ44にひび割れ指数と最大ひび割れ幅、鉄筋比の関係が示されています。一度、温度応力解析をされて、この関係に照らし合わせてみられてはどうでしょうか。最大ひび割れ幅が有害になるか検証できると思われます。
さて、対策ですが、やはり型枠の存置期間を延長とコンクリートの温度をできるだけ上昇させないことが必要かと思います。
通常、セメントはＮかＢＢだと思われますが、いずれもマスコンには不向きで、特に夏季施工では不適でしょう。また、もしＢＢならばＮに比べて初期強度の発現性が低い割には温度上昇が大きい傾向にあると思います。とはいっても、低熱セメント自体を直ぐに使用することは供給面で難しいでしょう。となると、散水養生、朝夕の気温の低い時期での打設、保温材による急激な温度低下の防止などが考えられます。リフト割りについては、賛否両論で、リフトを薄くして温度上昇を抑えるか、リフトを厚くして急激な温度低下を防ぐかで意見が分かれるところのようです。
小生施工屋さんではないので実際にところ現場でどのように対応されているのか知りません。教科書的なお話で無責任に意見を記述して申し訳ありませんでした。

田舎者

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2002-09-04 08:49:45

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